日本肥満予防健康協会 会長 宮﨑 健爾(みやざき けんじ)

日本肥満予防健康協会 会長
宮﨑 健爾(みやざき けんじ)

主な活動

アンチエイジングや美肌食、また肥満やダイエットの基礎知識の普及活動を行っており、現在は大阪支部にて活動、また美肌食レストランのプロデュースでも活躍中。

プロフィール

  • 一般社団法人日本肥満予防健康協会名誉会長
  • 日本美肌食マイスター協会理事長
  • 日本アンチエイジングメディカル協会顧問
  • 日本うつ予防管理士協会理事
  • 日本食事療法士協会理事
  • 若狭医療専門学校他講師
  • 医療法人拓誠会顧問
  • 国際薬膳協議会理事
  • GRS免疫研究所顧問
  • ビューティライフアカデミー特別講師
  • 日本抗加齢医学会会員
  • 日本肥満学会会員
  • 日本補完代替医療学会会員
  • 元北京大学医学部内肥満研究室室長
  • 東久邇宮国際文化褒賞受賞

主な著書

  • ふたりではじめる絵解きカリスマダイエット
  • 肥満予防健康管理士テキスト
  • アンチエイジングアドバイザーテキスト
  • 美肌食マイスターテキスト
  • 美肌食品辞典(編纂中)
  • 美肌機能性成分辞典(編纂中)

TV出演

  • 3分間ダイエットアドバイス 他

ご挨拶

35億年前、地球上に初めて生命が誕生しました。そしてたった一個の細胞からスタートした生命は、35億年と言うとてつもない長い長い年月をかけて、60兆個もの細胞からなる私たちの人体を作り上げました。 細胞は臓器や骨、筋肉などを作り、そしてその生体活動は未だ多くが解明することすら出来ない神の領域とも言える奇跡の小宇宙でもあります。
そして又、我々人類の歴史は、数百万年前に中部アフリカよりその歴史が始まったと言われています。その数百万年という、人類の歴史は殆どが種の生き残りをかけた飢餓との戦いでもありました。こうした状況の中で我々の有能ですばらしい人体は、自分の生体メカニズムを巧みに変革させながらも厳しいサバイバルゲームに勝利を収めてきたのです。

今から25年ほど前、我々の人体が飢餓に対し非常に強い抵抗能力があることを証明する事件が起こりました。大西洋単独横断中のスチーブン・キャラハンは航海の途中、嵐に遭遇し漂流したのです。その時彼が持っていたのはわずか1.5メートル四方の救命ボートと、1週間分の食べ物そして錆び付いた水中銃。たったこれだけで彼は漁師に助けられるまで76日間も生き続けていることが出来ました。彼の記録によると全く何も食べなかった日が14日間、1日40kcalの食べ物とわずか1日15ccの水でどのようにして人体はキャラハンの命を支えたのでしょうか。

現在、我々一部の地球人は、その飢餓の対極とも言うべき飽食の時代に存在します。飽食の時代は“食欲”という欲望を毎日満たすことができ、食べ物の氾濫は“食べすぎ”という食習慣を作っています。今、世界で11億人以上の人達が肥満であると警告されており肥満が世界的に伝染病のように広がりつつあるとWHOも警鐘を鳴らしています。一方、日本においても食の欧米化が進み食文化の変化はさらに肥満に拍車をかけ、又、一方文明の発達は、“利便性”というプレゼントの代償として人類から運動を次から次へと奪っていきました。
肥満は美容という意味からのみのマイナス要因だけではなく近年肥満による生活習慣病のリスクが医学の分野においても研究が進み、大きなうねりとなって社会問題化しています。20世紀の医学は特に急性期の疾患に対する医療技術が飛躍的に研究開発され、多くの命を救いました。そして、21世紀の医療は予防医療が主流になり医療革命が起こるであろうと言われています。

2005年4月、8学会合同によりメタボリックシンドロームの基準が決定され、政府は医療改革の中でメタボリックシンドローム肥満症に対する医療対策を発表し、それをきっかけに社会もこのところ健康志向という価値観に一層拍車がかかり、企業も地方自治体も医療サービスを提供するドクターの間にも予防医療の大きなうねりが起こっています。今、成人男性の50%、女性の20%がメタボリックシンドロームと言われる中、「病気になったら」ではなく、「病気にならない様に」と言う考えのもと健康に関する関心がさらに高まりをみせる事が予想されます。

そもそも現在の様にスリムな女性が美しいとか、細くて華奢な男性がかっこいいという時代は過去の歴史を振り返って見ても一度も存在していません。それは元来慢性的に食糧不足であった長い歴史の中で、太っていること自体が豊かさの象徴であり、かっこいい、美しいとイコールであったのでしょう。私たちの体は食糧不足そして飢餓対応型であり、今日、日本のような飽食で、運動不足の世の中では、長い長い年月の間に私たちの体に備わったすばらしい生体メカニズムも、肥満という状態には全く脆弱極まりなく、そしてこの肥満が生活習慣病の臓器障害を起こす上流因子となっている始末です。普通に食べて普通に生活をしていても肥満になってしまう世の中で、理想的な体重を一生維持するためには何かを犠牲にし、生活する必要があり、「貴方は何を差し出しますか?」が、カギではないかと考えます。

昔、風邪は万病の元と言われました。今は肥満が万病の元と言われています。日本人は今、文明の発達と飽食の時代というありがたい環境の中で『豊かさ』という敵との戦いを強いられています。問題なのは、紛れもなく敵が勝利を収めつつあるという現実なのです。

現在、成人男性の約70%、女性の約80%がダイエットの経験があり、4000万人もの人たちがダイエットを希望していると言われています。
ダイエットには決して王道はありません。女性週刊誌や情報誌には使用前、使用後の写真と共に今すぐにでもやせて美しくなる様な、キャッチコピーがおどっています。安易にとびついた顧客の多くが失望を味わう、中には全く効果の無い物や、安全性が疑わしい物まで混在している事も事実です。確かに世間を見渡しても数多くの人達が商業ベースの仕掛にのり、挫折を味わっている現状があります。

一生涯理想的な体重と、健康な体、健康な精神を維持することは、そうそう簡単なことではありません。本来のダイエットは、肥満学の一部である事はまちがいありません。有効性、安全性、継続性は、自分自身が判断する事ですし、正しいダイエット法はまず肥満の基礎知識から、と考えています。

皆様が‘肥満予防健康管理士’の学習をされ一人でも多くの方が肥満や肥満解消の知識を習得されて、数多くの方々がアドバイザーとして活躍される事を心より願っております。

2007年4月
日本肥満予防健康協会名誉会長
宮﨑健爾